ACアダプターの安全な取り扱い 第2回 「冷やしすぎるべからず」
本格的な冬が始まりACアダプターの使用環境も低くなってきた頃と思います。ACアダプターの安全な取り扱い方をご紹介しております。第2回は「冷やしすぎるべからず」の特集です。低温の使用環境によるACアダプターへの影響についてまとめています。ぜひご覧ください。
ACアダプター&スイッチング電源のユニファイブです。
今回の《ユニファイブのアダプタNEWS(第9号)》は…
ACアダプター“べからず”シリーズ第2回は、「冷やしすぎるべからず」です。
ACアダプターの使用環境温度にご注意を
お客様から調査をご依頼いただく中に、冬場になると「朝一番は出力が無い(起動しない)」といった事象があります。・・・もうお分かりですね、原因は寒さ(低温)です。
以前、信州方面のお客様から「ACアダプターが起動しないことがある」とのご連絡があり、現地での打ち合わせとなりました。東京から現地に向かう車窓からの景色はすでに紅葉も終わり、そろそろ初冬・・・そうです、信州の朝晩は冷え込んでいたんです。
冬場、冷え切った環境だと…
さらに追い打ちをかけるように、この時のACアダプターのご使用環境が、暖房設備の無い場所で、機器のご使用は1日に3~4回程度、各5分間くらいだけ動作させるというものでした。冷え切った環境に放置されたACアダプターには最も朝がつらかった・・・いや、寒さに弱かった。
このようなトラブルを防止するため、お客様におかれましては、ACアダプターをご使用の際には、以下のような点にご配慮いただけますようお願い申し上げます。
- 仕様範囲内の温度環境でご使用下さい(一般的な電気製品は0~40℃)
- 低温環境放置後にご使用の際は、仕様温度に馴染ませてから起動させて下さい
- 結露防止のため、冷えた状態から急速に温めないで下さい

寒さに弱い部品は、半導体類
ちなみにACアダプターに使用されている部品の中で低温の影響を受け易いのはアルミ電解コンデンサやICなどの半導体類ということは、ご存知でしょうか。
特に低温環境でのアルミ電解コンデンサは、常温環境に比べてインピーダンスが格段に大きくなる傾向があり、さらに仕様範囲外の低温環境でご使用されるとその影響で出力リップル電圧が非常に大きくなるなどACアダプターとしての正常な特性が得られなくなりますので、十分にご注意下さい。