ACアダプターのプラグにある“あの穴”の正体とは?

ACアダプターの刃にある穴の理由を解説。抜け防止の仕組みや安全規格、日本と海外のプラグ構造の違いを電源専門メーカーが説明します。

 

 

ACアダプターのプラグ(ACの刃)をよく見ると、先端付近に小さな丸い穴が開いていることに気づくはずです。一方で、海外製品や一部の充電器では、この穴が見当たらないものも存在します。

「この穴にはどんな意味があるのか?」
「穴がない製品は安全性に問題があるのか?」

こうした疑問は、一般ユーザーだけでなく、製品設計・購買・品質管理に携わるプロフェッショナルの方々からも多く寄せられます。

本記事では、電源専門メーカーであるユニファイブの立場から、ACアダプターの"刃の穴"の役割と、その背景にある安全規格の考え方を分かりやすく解説します。


1. なぜACアダプターの刃に穴があるのか?主な3つの理由

ACプラグの刃に見られる直径約3mmの穴は、見た目以上に重要な意味を持っています。

 

抜け防止(保持力の向上)

最も大きな理由は、使用中にプラグが意図せず抜けてしまうのを防ぐためです。

日本のコンセントの多くは、内部の刃受け端子に「ボッチ(突起)」を備えた構造になっています。プラグを奥まで差し込むと、この突起がプラグの穴に噛み合い、軽く固定される仕組みです。

※ボッチの有無はコンセントの仕様によります。

これにより、ケーブルを引っ張った際や振動が加わった際でも、プラグが抜けにくくなります。

接触の安定性と確実な差し込み

穴と突起が噛み合うことで、しっかり奥まで差し込まれたことを手応えとして確認できます。

差し込みが不十分な状態は、接触不良や発熱、トラッキング現象(ホコリを起因とする発火)のリスクを高める要因となります。

穴付きプラグは、こうしたリスクを低減するための機械的な安全設計の一部といえます。

日本の安全基準(技術基準)への適合

日本国内向けのACプラグでは、この穴は単なる設計上の工夫ではありません。

電気用品安全法に基づく技術基準(省令)では、栓刃の根元から約11.7mmの位置に直径約3mmの穴を設けることが定められています。

この要件は、日本市場で流通する電気用品の安全性を確保するための基準のひとつです。


2. 穴は「必須」なのか?日本と海外の規格の違い

プラグの穴に対する考え方は、国や地域によって異なります。

項目 日本(PSE関連技術基準) 北米(NEMA) 欧州・中国など
穴の有無 技術基準で規定あり 任意(optional) 穴なしが一般的
主な考え方 脱落防止・安全確保 製造上の設計自由度 プラグ構造自体が異なる
日本での販売 不適合品は不可 日本では不可

北米のNEMA規格では、プラグ刃の穴は必須ではなく任意扱いです。穴の有無にかかわらず、規格に適合していれば合法とされています。

一方、日本では安全確保の観点から、この構造が標準化されており、日本市場向け製品では重要な要件となっています。


3. 穴がない製品は「不良品」や「コストダウン品」なのか?

結論から言えば、穴がないからといって一概に不良品や危険な製品とはいえません。

ただし、日本国内においては注意が必要です。

日本向けとして販売される電気用品で、技術基準に適合しないプラグ形状の場合、事業者側が法令上の責任を問われる可能性があります。

そのため、「不良品」というよりは、「日本の安全基準(PSE関連技術基準)に適合していない製品」と捉えるのが正確です。


4. FAQ:よくあるコンセントプラグの疑問

Q. 穴のない海外製アダプターを使っても問題ありませんか?

海外仕様として設計された製品であれば、安全上大きな問題が生じるケースは多くありません。ただし、日本のコンセント環境では抜けやすくなる可能性があるため、日本国内ではPSE適合品の使用が推奨されます。

Q. コンセントの左右で差し込み口の長さが違うのはなぜですか?

一般的な日本のコンセントでは、左右で長さが異なる場合があります。これは接地側と電圧側を区別するための構造で、安全性向上を目的としたものです。

Q. 穴のないプラグが届いた場合はどうすればよいですか?

日本国内の事業者から購入した製品であれば、販売側の確認事項となる可能性があります。気になる場合は、販売元へ仕様確認や返品相談を行うことをおすすめします。


5. まとめ:安全基準を理解した電源選定が重要

ACアダプターのプラグにある小さな穴は、日本の厳しい安全基準に基づいた脱落防止と安定接触のための設計要素です。

ユニファイブでは、日本国内向けのPSE対応はもちろん、北米・欧州・中国・韓国など、仕向け国ごとの規格・プラグ形状に対応したACアダプターを幅広く提供しています。

ユニファイブの強み

特定の国向け製品で「どの規格に対応すべきか」「どのプラグ形状が適切か」でお悩みの場合は、ぜひユニファイブにご相談ください。
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