当社ACアダプターの品質管理体制
このページは、ACアダプター及びスイッチング電源の品質管理体制について、詳しく解説しているページです。ACアダプター、スイッチング電源メーカーとして、自社工場にて徹底した管理をしております。
目次
品質管理の定義と当社のアプローチ
JIS Z 8101は、日本産業規格(JIS)が定める品質管理に関する用語の定義集です。製造業における品質管理の基本的な考え方や用語を統一的に定めた規格であり、日本の製造業の品質管理体制の基盤となっています。
当社は、このJIS Z 8101で定義される品質管理の考え方を基盤としています。同規格では品質管理を以下のように定義しています。
品質管理(QC):買い手の要求に合った品質の品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系。近代的な品質管理は統計的な手段を採用しているので、とくに統計的品質管理、または統計的工程管理ということがあります。
品質管理を効果的に実施するためには、経営者をはじめ、管理者、監督者、作業者など、企業活動のすべての段階において全員の参加と協力が必要です。このような全社的品質管理(TQC)の考え方に基づき、当社は以下の3つの要素を品質管理体制の柱としています。
| No. | 品質管理の3つの柱 |
|---|---|
| 1 | 顧客や社会の要求する品質を十分に把握する |
| 2 | これに適合する品質の製品を経済的に作り出して市場に出す |
| 3 | 顧客や社会の満足を得るために、企業活動の全部門が品質の改善と維持を効率的に行う |
以下では、この3つの柱に沿って、当社が具体的にどのような品質管理を実施しているかをご紹介します。
【1】顧客や社会の要求する品質の把握
日本を始め各国の拠点と自社中国工場がお客様との技術仕様会議を実施し、以下の検証プロセスを経て量産に移行します。設計部門だけでなく、品質保証部門(QA)が第三者的立場で設計検証を実施することで、設計段階での品質リスクを未然に防止しています。
| No. | 検証プロセス |
|---|---|
| 1 | お客様との技術仕様会議の実施(日本・中国工場) |
| 2 | 製品仕様書の起案 |
| 3 | 技術サンプル(ES)による評価・課題抽出 |
| 4 | カスタマーサンプル(CS)による信頼性評価・課題抽出 |
| 5 | 設計部門だけでなく、品質保証部門(QA)が第三者視点で設計検証を実施 |
| 6 | 設計審査の実施 |
| 7 | CSのお客様への提出・承認取得 |
| 8 | 製品仕様書の承認取得 → 量産移行 |
【2】適合する品質の製品の経済的な生産と市場供給
受入検査から製造工程管理・出荷検査にいたるまで、各工程で以下の管理体制を運用しています。
受入検査
購入部品のすべてに対し、ANSI/ASQC Standard Z1.4に基づく受入検査を実施しています。品質に直結する主要部品については、以下の個別検査を行っています。
| 検査対象 | 検査内容 |
|---|---|
| 全購入部品 | 蛍光X線分析装置によるRoHS特定有害物質の含有率検査 |
| 噴流半田槽の半田 | 鉛の含有率を蛍光X線分析装置にて毎日検査 |
| トランス | 分解検査:マグネットワイヤの巻き数・巻き方(粗巻き・密巻き)、絶縁テープの巻き方・巻き数等を検査 |
| DCコード(プラグ・USB・コア) | 分解検査:半田付け品質の検査 |
製造工程管理(FMEA・SOP)
工程FMEAに基づきQC工程図および作業標準書(SOP:Standard Operating Procedure)を作成し、生産ラインを構築しています。
生産ラインで不良を検出した場合、当該工程の作業者がアラームボタンを押してアラームを発報し、生産ライン責任者を呼びます。不具合情報は前工程に迅速にフィードバックされ、同一不良の拡大を防止します。
また、作業開始前だけでなく休憩後2時間ごとに、各生産ラインの責任者が最新の不具合情報と作業上の注意事項を作業者に徹底して伝達しています。
IPQC(工程内品質管理)巡回検査
QA部門のIPQC(In-line Process QC)担当者が定期的に生産ラインを巡回し、以下の項目を確認しています。
| IPQC巡回検査項目 |
|---|
| 作業者がSOPに準拠した作業を行っているか |
| 投入部品の仕様とBOM(部品表)の照合 |
| 半田ごての温度管理 |
| トルクドライバーのトルク値管理 |
| 各種治工具の設定確認 |
出荷検査
出荷検査では、出荷ロットをパレット単位で区分し、ANSI/ASQC Standard Z1.4に基づく抜取検査を実施しています。
【3】全部門による品質の改善と維持
当社は、経営層から生産現場まで全部門が参加する品質改善活動を実施しています。
マネジメントレビュー
年初に全部門が品質目標を設定し、毎月のマネジメントレビュー会議で経営層が進捗状況と改善必要箇所を確認しています。
日常の品質改善活動
毎日、定時後に各生産ラインの責任者およびQA担当者が参加するミーティングを実施し、不適合情報の共有と再発防止策の検討を行っています。
市場クレーム対応
市場クレームが発生した場合、QA部門が解析を行い、原因の分類に応じた是正措置を実施して再発防止を図っています。
| 不良原因の分類 | 是正措置 |
|---|---|
| 作業起因 | SOPへの反映および治工具の改善 |
| 部品起因 | 部品メーカーへのフィードバック(工程監査を含む) |
| 設計起因 | 設計標準への反映 |
関連ページ
当社の品質管理に関する詳細は、以下のページもあわせてご覧ください。
品質への取り組み:
品質への取り組み / 部品サプライヤー選定方法 / RoHS2対応 / 赤リン(イオンマイグレーション)への対応 / トレーサビリティ / 信頼性試験について / 筐体の超音波溶着工程の管理方法