ACアダプターの安全な取り扱い 第7回 「流用するべからず」
ACアダプターの安全な取り扱い方をご紹介しております。第7回は「流用するべからず」の特集です。ACアダプターを流用する場合のお願いと注意点を解説しております。
ACアダプター、流用するべからず
ときどきお客様から、次のようなお問い合わせをいただくことがあります。
- 装置に付属の他社製ACアダプターが故障した、御社製品で代替できないか?
- 現在採用中のACアダプターは、別の装置にも使用可能か?
このようなお問い合わせに対しては、以下のような説明をさせていただいております。
- 装置に付属していた他社製ACアダプターは、装置メーカが検証の上、動作保証されたものです。従いまして、当社製ACアダプターと定格入出力が同じだけでは、お客さまの装置にご使用いただけるとの判断(保証)はできません(個人のお客様の場合には、装置をお買い求めのメーカへお問い合わせいただくことをお勧めしています)
- 新たに当社製ACアダプターとお客様の装置との組み合わせをご検討される場合は、お客様で装置との相性を評価していただく必要がございます
お客様の装置に付属(同梱)されている弊社製ACアダプターは、装置メーカ様に装置との相性などを評価していただいた上でご採用いただいております。従いまして、採用実績のあるACアダプターを別の装置に流用される場合でも、装置毎に評価をしていただくようお願いしております。
最近のACアダプターの回路方式は小型・軽量・出力安定性などの面から、ほぼ「スイッチング方式」に集約されてきていますが、以前は「トランス方式」の製品も相当数流通していました。では「トランス方式」のメリットは何であったかと言えば、“ノイズの小ささ”です。(理由は、「スイッチング方式」のような半導体のスイッチング(ON/OFF)動作が無いから・・・)そのため「トランス方式」の製品は、楽器や音響・通信機器などのノイズに厳しい製品を中心に採用されてきました。
極端な例ですが、「トランス方式」のACアダプターを使用していた装置に、定格入出力やDCコネクタが同じというだけで「スイッチング方式」のACアダプターに置き換えたら、おそらくその装置の特性は満足できなくなるものと思われます。

以上のことから、装置メーカ様でのACアダプターのご採用に際しましては、セットにされる装置との相性のご確認を引き続きお願いするとともに、個人のお客様には定格入出力やDCコネクタが同じというだけで別の装置に流用されることの無いようお願いいたします。