セミカスタム対応のワークフロー
ユニファイブのセミカスタム電源開発のワークフローを8工程で解説。標準品ベースのため短納期・低コスト・差分認証で対応可能。お問い合わせから機種選定、仕様確定、試作、認証、量産、継続供給までの流れを、ACアダプター・スイッチング電源をご検討の方向けにご紹介します。
目次
1. セミカスタムのワークフローの特徴
セミカスタムは、当社の標準品をベースとして、お客様の要件に合わせて一部仕様を変更するカスタム対応です。新規設計を伴うフルカスタムと比べて、開発期間とコストを大きく抑えながら、要件適合を実現できます。
セミカスタムのワークフローには、フルカスタムにはない以下のような特徴があります。
- 新規設計工程が不要:1,500種類超の標準品ラインナップから最適なベース機種を選定するため、回路・トランス・筐体の新規設計が発生しません。
- 既取得認証を活用できる:ベース機種で取得済みのPSE・UL・CEなどの安全規格認証を活用し、変更点に対する差分認証で対応できるケースが多くあります。
- 短納期で進められる:仕様によっては数週間〜数ヶ月で量産立ち上げまで進められます。
- 初期費用を抑えられる:金型新規製作や回路設計の費用が発生しないため、開発投資を最小限に抑えられます。
- 小〜中ロットでも対応しやすい:金型投資がないため、年間数百〜数千台規模の案件にも対応可能です。
フルカスタムとの違い:フルカスタムでは、市場調査から設計、試作、量産まで一貫して新規開発を行います。セミカスタムは、その新規開発工程をベース機種で代替し、変更点のみを設計・評価する流れになります。フルカスタムの開発フローについては、フルカスタムのワークフローのページをご参照ください。
2. ワークフロー全体図
セミカスタムは、以下の8つの工程で進めていきます。お客様のお問い合わせから量産立ち上げ、その後の継続供給までを一貫してサポートします。
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STEP 1 お問い合わせ・ |
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STEP 2 ベース機種の |
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STEP 3 変更項目の協議・ |
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STEP 4 お見積り・ |
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STEP 5 試作・ |
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STEP 6 認証差分対応 |
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STEP 7 量産・ |
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STEP 8 継続供給・ |
3. 各工程の詳細
各工程で何を行い、どのような情報のやり取りが発生するかをご紹介します。
STEP 1:お問い合わせ・要件ヒアリング
お問い合わせフォームまたは当社営業を通じて、ご要件のヒアリングを行います。具体的には、以下のような情報を確認させていただきます。
- 機器の用途、想定される使用方法
- 必要な出力仕様(電圧・電流・USB PD profile など)
- 機械的要件(筐体サイズ、ケーブル長、コネクタ形状)
- 使用環境(周囲温度、湿度、屋内/屋外、振動、設置形態)
- 仕向地・販売先(必要な安全規格に関わります)
- 想定ロット、希望納期
- ご使用条件(負荷率、通電時間、要求寿命など)
既存の仕様書、機器側の回路図、置き換え対象のアダプター品番などをご提示いただけると、その後の検討がスムーズに進みます。
STEP 2:ベース機種のご提案
ヒアリング内容をもとに、当社の1,500種類を超える標準品ラインナップから、お客様の要件に最も近いベース機種を選定し、ご提案します。複数候補がある場合は、それぞれの特徴と適合度をあわせてご説明します。
他社製品からの置き換えをご検討の場合は、クロスリファレンス検索を活用し、近い仕様の当社標準品をご提案します。
STEP 3:変更項目の協議・仕様確定
ベース機種を起点に、お客様の要件に合わせて変更が必要な項目を協議します。代表的な変更項目は以下の通りです。
- 出力ケーブルの長さ・コネクタ種類
- 入力プラグの差し替え(仕向地別)
- 出力電圧・電流の調整
- 過電流保護(OCP)特性の最適化
- 電解コンデンサのスペック変更による長寿命化対応
- 銘板・刻印・ロゴ印字
- 防湿コーティング、防水防塵グレード変更
- 梱包仕様、付属品構成の変更
この段階で技術仕様書(ドラフト)をお客様にご確認いただき、合意のうえで仕様を確定します。
STEP 4:お見積り・スケジュール提示
確定した仕様にもとづき、以下の内容を含むお見積りをご提示します。
- イニシャル費用(必要な場合のみ)
- 量産単価
- 最小発注ロット(MOQ)
- 試作スケジュール
- 量産立ち上げまでのスケジュール
- 認証取得に要する期間(仕向地により変動)
セミカスタムの場合、案件によってはイニシャル費用ゼロでご対応できるケースもあります。
STEP 5:試作・お客様評価
試作機を製作し、お客様にご提供します。お客様側で実機との組み合わせ評価、動作確認、信頼性評価などを実施いただきます。
電気的な性能面については、当社にてチューンアップ後の実証測定データをご提供します。EMC・ノイズなど各国の法規則に関わる項目については、認定ラボにて取得したデータをご提供します。
評価結果に応じて仕様の微調整が必要な場合は、再試作または部分修正で対応します。
STEP 6:認証差分対応
セミカスタムの大きな利点は、ベース機種で取得済みの安全規格認証を活用できる点です。変更内容によっては、再認証なしで出荷可能な場合もあれば、変更点に対する差分認証のみで済む場合もあります。
日本のPSE、北米のUL、欧州のCE/GS、中国のCCC、韓国のKC、台湾のBSMI など、仕向地に応じた差分認証取得を当社にてサポートします。
STEP 7:量産・品質検査
量産工場での生産を開始します。当社では量産品に対して、以下の3段階の品質検査を実施しています。
- 部品受入検査(IQC):一部の梱包部品を除く全ての部品を対象に、抜き取り方式での受入検査および有害物質検査を実施します。
- 工程検査(IPQC):仕様に基づいた生産、超音波溶着の確実な実施、作業指示書に沿った工程進行状況などを、全ロットにて確認します。
また、半製品および完成品に対しては、絶縁抵抗試験や耐圧試験等を全ての生産ロットで実施し、品質の確認を行います。 - 出荷検査(OQC):安全規格の要求事項および仕様書にもとづいた電気特性を、全ての生産ロットに対して抜き取り方式で検査します。
検査基準には ANSI/ASQ standard Z1.4 の Level-Ⅱ を採用し、致命欠点・重欠点・軽欠点それぞれに対してAQL基準を設定しています。詳しくは品質への取り組みのページをご参照ください。
STEP 8:継続供給・アフターサービス
量産開始後は、長期にわたる継続供給とアフターサービスをサポートします。
- トレーサビリティ管理:当社では生産履歴データを20年間保存しており、長期にわたる品質追跡が可能です。
- 不具合対応:不具合が発生した場合は、解析を実施し、発生原因と流出原因を特定したうえで、再発防止策を講じます。
- 派生品・追加仕様への対応:量産開始後にケーブル違いの派生品や、追加の仕向地向け仕様の追加などにも柔軟に対応します。
- 長期供給:部品調達状況をモニタリングし、長期にわたる安定供給を支えます。
4. お問い合わせ
セミカスタムのご相談は、要件のヒアリングからベース機種のご提案まで、当社営業が一貫してサポートします。「フルカスタムが必要かどうか分からない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。当社の標準品ラインナップで対応可能か、まずご検討させていただきます。