防水ACアダプターのフルカスタム開発事例|筐体・回路設計から対応

防水ACアダプターのフルカスタム開発事例です。標準品で合わない水回りや屋外の機器向けに、当社は防水構造・筐体・回路を一から設計するカスタム電源で対応します。密閉した筐体の熱設計、防水コネクタ、結露への対策まで、仕様が固まる前からご相談ください。

防水ACアダプターの「フルカスタム」とは

防水ACアダプターのフルカスタムとは、回路・筐体・防水構造を、お客様の機器と設置する環境に合わせて一から設計するカスタム電源の開発です。

当社の防水ACアダプターの標準品は、IP65/IP67に対応した36Wと70Wの2シリーズです。出力電圧は12V・15V・19V・24Vです。標準品で合わない出力、形状、使用環境には、セミカスタムとフルカスタムで対応します。標準品は「防水ACアダプター一覧」でご覧いただけます。

IP65やIP67などの等級の読み方は、「防水ACアダプターの選び方」で解説しています。このページでは、フルカスタムで設計する項目と、対応の方法の選び方をご紹介します。

標準品・セミカスタム・フルカスタムの選び方

防水が必要な電源でも、すべてをフルカスタムで作る必要はありません。当社は、ご要望に合わせて次の方法から選びます。

ご要望 対応の方法 参考
出力電圧・電流、DCケーブルの長さ、DCプラグの形状・極性、ラベル表記を変えたい セミカスタム(標準品をベースに、一部の仕様を変更します) 防水ACアダプターのセミカスタム対応
防水と、広い使用温度範囲や高い出力を、同時に満たしたい 既存品をベースに、新しい金型の防水ケースと広温度対応部品で実現した例があります(セミカスタム) 防水 × 広温度対応の導入事例
防水構造そのものを設計したい。埋設・屋外常設・水没などの設置方法がある。薬品・塩害・高温多湿の環境で使う。サイズや形状に制約がある。社内規格や指定の試験がある フルカスタム このページ
機器の筐体で防水し、電源は筐体の中に組み込みたい 基板電源(オープンフレーム電源)を内蔵する構成です。基板への防湿コーティングにも対応します オープンフレーム電源、POS端末向けの開発事例

セミカスタムとフルカスタムの違い

項目 セミカスタム フルカスタム
設計のベース 既存の設計 ゼロから設計
変更できる範囲 ベース機種の設計の範囲内 回路・筐体・防水構造のすべて
開発期間 短い 中期〜長期
初期費用 小さい 大きい

要求仕様によっては、フルカスタムではなく、セミカスタムで対応できる場合も多くあります。当社は、過剰な設計にならないよう、仕様を整理する段階からご相談を承ります。まずはセミカスタムで対応できるかの確認からでも問題ありません。防水ACアダプターのセミカスタム対応はこちら ▶

フルカスタムで設計する主な項目

防水ACアダプターのフルカスタムでは、主に次の6つの項目を、お客様の機器と設置する環境に合わせて設計します。

1. 防水構造:筐体、ケーブルの引き出し部、コネクタの接続部

防水の性能は、筐体だけでは決まりません。当社は、ケーブルの引き出し部のシールと、コネクタの接続部まで含めて設計します。必要な等級を、アダプター本体だけで満たすのか、コネクタを接続した状態で満たすのかを、最初に決めます。

2. 密閉した筐体の熱設計

防水構造は筐体を密閉するため、熱が外に逃げにくくなります。当社は、設置する場所の最高温度でも必要な出力が得られるように設計します。温度上昇を抑える回路設計と、部品の定格に余裕を持たせる設計(ディレーティング)を、設計の段階で行います。

3. DC側の防水コネクタとケーブル

機器の防水は、アダプター本体とDC側のコネクタの両方がそろって成り立ちます。当社は、ヒロセ電機製などの防水コネクタを標準でそろえています。300種類以上のDCプラグ・接続端子に対応し、コードの長さの変更や、特殊な端子の圧着にも対応します。電源とコネクタを、まとめてご相談いただけます。

4. 取り付け方法

壁面へのねじ止めや、ブラケットでの固定など、機器と設置する場所に合わせた形で設計します。ケーブルの引き出し部に水が伝わらない向きで取り付けられるかも、設計の段階で確認します。

5. 結露・湿度・塩害への対策

IP等級は、外から入る水と粉じんへの保護を表す等級です。結露、高い湿度、塩害への耐性は、IP等級とは別に検討します。当社は、工場に基板の防湿コーティングの設備を持っています。当社の品質検証の試験には、結露試験、加湿試験、塩水噴霧試験などがあります(「信頼性試験について」「製品設計・品質検証の徹底」)。

6. 屋外で重なる条件:使用温度範囲、雷サージ、安全規格

屋外で使う機器では、防水のほかに、広い使用温度範囲や雷サージへの対策が必要になることがあります。当社には、防水と−20〜+60℃の動作を両立した事例があります(防水 × 広温度対応の導入事例)。屋外の通信機器向けに、標準品の20倍の雷サージ耐性を実現した事例もあります(雷サージ対策の導入事例)。これらの対策も、防水と組み合わせて設計します。

必要な安全規格は、機器の種類と、販売する国・地域で決まります。詳しくは「安全規格の考え方」をご覧ください。

開発の進め方と防水の評価

フルカスタムは、次の流れで進めます。

  1. 使用環境と要求仕様のヒアリング
  2. 回路と筐体の構想設計
  3. 試作と評価(防水の評価を含む)
  4. 量産設計と、量産の立ち上げ

評価は、設置する環境を想定して行います。当社は、設計の初期の段階から、量産での安定性を考えて開発します。

8つの工程の詳しい流れは、「フルカスタム対応のワークフロー」でご紹介しています。

ご相談の際にお知らせいただきたい項目

まだ決まっていない項目があっても、ご相談いただけます。試作サンプルの段階から対応します。最小発注数量と量産の条件は、お見積りとあわせてご案内します。

お客様の声

水回りで使う防水ACアダプターをカスタム電源としてご依頼いただいたお客様から、次のお声をいただきました。

お客様

「水回りで使うACアダプターが、なかなか見つからずに困っていました。カスタムで対応してくれる会社も見つかりませんでした。ユニファイブさんにお願いしたところ、とてもスムーズに進み、大変助かりました。」

─ ご担当者様

屋外・水回りで使う機器の電源の事例

屋外や水回りで使う機器の電源について、当社が対応したほかの事例を3件ご紹介します。

防水 × 広温度対応のACアダプター(FA機器、セミカスタム)

標準品では、IP防水と−20〜+60℃の動作を同時に満たせませんでした。当社は、既存の24V品をベースに、新しい金型で防水ケースを設計しました。部品の一部を広温度対応品に置き換え、−20〜+60℃でも定格出力を維持しました。お客様は装置側の設計を変えずに、予定どおり量産を始めました。

防水 × 広温度対応の導入事例を見る ▶

雷サージ耐性を強化したカスタム電源(屋外の通信機器、フルカスタム)

屋外に設置する通信機器では、落雷によるサージで機器が故障することが課題でした。当社は、サージアブソーバと強化絶縁の設計で、標準品の20倍のサージ耐性を実現しました。フィールド試験では、落雷による機器の故障はありませんでした。

雷サージ対策の導入事例を見る ▶

屋外の筐体に組み込む基板電源(POS端末、フルカスタム)

装置は屋外に設置する筐体に組み込まれ、電源は筐体の内部に実装されます。防水と防塵は筐体の側で確保し、電源は基板単体で供給しました。基板に防湿剤を塗っても問題がないように、部品の選定と放熱の経路を設計の段階で決めました。ファンがなくても成り立つ熱設計にしています。

POS端末向け基板カスタム電源の開発事例を見る ▶

そのほかの事例は、「カスタム電源の対応事例」でご覧いただけます。

よくあるご質問

Q. フルカスタムの開発期間と初期費用は、どのくらいですか?

A. 仕様によって変わります。フルカスタムでは、開発費、金型費、安全規格の認証費がかかります。セミカスタムで対応できる場合は、開発期間と初期費用を抑えられます。日程と費用は、お見積りとあわせてご案内します。

Q. 電源を防水にせず、機器の筐体の側で防水する方法もありますか?

A. あります。基板電源を機器の筐体に組み込み、筐体で防水と防塵を確保する構成です。湿度や結露が心配な場合は、基板に防湿コーティングをした状態で供給できます。

Q. 試作や少ない数量から相談できますか?

A. はい、試作サンプルの段階から対応します。最小発注数量と量産の条件は、お見積りとあわせてご案内します。


防水ACアダプターのフルカスタムは、仕様が固まる前の段階からご相談いただけます。

防水ACアダプターのご相談はこちら ▶

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